小さいお子さんは必ずチャイルドシートに乗せましょう
車に乗る際の安全装備といえば、シートベルトですが、子どもにとってはチャイルドシートが大人のシートベルトの替わりです。乳幼児は4~5頭身であり、相対的に頭部が大きいため、頭部が損傷を受けやすいので、最優先に保護しなくてはなりません。また、骨格が未熟なため、衝突時の衝撃を体の広い部分で受け止め、その衝撃を分散させる必要があります。万一の事故時に、車外放出から守ったり、シートや同乗者への衝突などを防ぐのも重要なチャイルドシートの役割です。
いまだに、助手席で抱っこされていたり、ワンボックスの車内を動き回っている車をたまに見かけますが、その光景を見るたびに、自分の子どもがかわいくないんだろうか、と思います。チャイルドシートに乗せず、助手席で抱っこなどというのは小さな虐待と同じ行為です。わざわざ危険にさらしているのですから。自分の子どもが痛い目に会うまでわからないのかもしれませんが、痛い目に会ってしまっては取り返しがつかないことになります。チャイルドシートに乗せるとぐずるからかわいそう、などというのは、愛情でも何でもありません。本当に子どもがかわいいのであれば、小さい頃から、車に乗る時はチャイルドシートが指定席、という癖をつけることです。
6歳未満のお子さんにはチャイルドシートが必要です。絶対に助手席抱っこはやめましょう。
牛乳は1歳になってから
乳児に牛乳を与えると貧血を起こすことが昔から知られています。牛乳にはカルシウム、リンが多く含まれており、腸管での鉄分の吸収を妨げてしまうため、1歳未満の乳児では容易に鉄欠乏性貧血を起こしてしまうのです。また腸管が未熟であるため、牛乳のタンパクを分解しきれず、牛乳アレルギーを起こすこともあります。牛乳は高タンパクでもあり、未熟な乳児では他にも体に負担がかかってしまうのです。
そのため牛乳を与えるのは1歳を過ぎてからとし、9ヶ月以降の乳児期には、母乳が出る方は母乳で、もしくは普通のミルクかフォローアップミルクを与えてください。離乳食がしっかり進んでいて、鉄分も十分にとれていれば、特にフォローアップミルクにしなくてはいけないということもありません。鉄分の多い食品としては、レバー、肉、魚の赤身などを調理して離乳食として与えてあげると良いでしょう。鉄分を多く含むと知られているほうれん草は、実は鉄の吸収率はあまり良くありません。牛乳は与える時期を誤らなければ、栄養豊富な飲み物ですので、1歳を過ぎて特に2-3歳以降は積極的に与えてあげると良いでしょう。
一方フォローアップミルクは離乳後期の母乳の代替品として作られていますが、栄養組成は人工乳とは違いますので、乳児早期に与えてはいけません。あくまでも成長した乳児後期用のミルクなのです。同じ乳製品でも、ヨーグルトは乳児早期から与えてあげても問題ありません。でも早期には甘い物は控えて、プレーンヨーグルトが良いですね。
(ついでに、ハチミツも1歳過ぎまで、与えてはいけません。ボツリヌスという怖い菌に感染する危険があるからです。)
夜ふかし、について
夜ふかしをした場合、入眠時間は遅れるが朝起床時間は変わらない、総睡眠時間が短くなる場合、と、覚醒時間も後退し、遅寝遅起きとなる場合があります。
成人の場合、睡眠時間が短くなってもそれ程問題はないのですが、遅寝遅起きとなると、睡眠そのものには異常は起こらないが、日照時間が主として午後になるため、体温のサーカディアンリズムが後退し、正常の生活リズムへの再適応を困難にします。
睡眠機構が発達過程にある小児期では、このような遅寝遅起きの状態が乳児期早期から続くと脳の発達には悪影響があると言われています。少なくとも6歳ごろまでは、子どもを夜遅くまで起こしておくことは、望ましいことではありません。学童期までは、夜ふかしを避け、自然の昼夜のリズムに順応した生活をさせることが脳の発達にとっては重要です。
早期教育のはなし
あくまでも私見ですので、読み流してください。
近年、早期教育、幼児教育、胎教などと、いろんな教材や教室を見かけますが、そんなものが必要なんでしょうか。日本語もろくに話せない子どもに英語を教えたり、図柄や漢字を記憶させてすごいスピードで言わせたり、まるで、昔よくテレビでみた、ビックリちびっこの養成所みたいなものでしょう。
子どもの脳はいろんな事柄をスポンジのように吸いこんでいきますから、課題を与えていろんな事を詰め込めば、それはすごい能力を発揮するでしょう。でも、そのために他のいろんな感情や大切なものを犠牲にしてしまっているかもしれません。知識なんてあわてなくても、いくらでも入っていくものです。
例えば、5歳でできることを、2歳でできたからといって、びっくりはしますが、えらいとは思いません。子どものときに早くできたところで、いずれ年齢が追いつけばみんなができることなら、えらくも何ともないと思うのです。
それよりも、しっかりした人間関係を築いたり、あいさつを身につけたり、自然にふれ合って動物や草花に愛情を注いだり、人に感謝する気持ちを育てたり、今しかできない遊びを経験したり、子どものうちにしかできないことはいっぱいあると思うのです。
そうはいっても、自分の子どもがいろんな事が出来ると、親としてはうれしい気持ちもわかります。あまり周りに流されず、何でもほどほどにして、ゆったりと育ててあげたいものですね。